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優秀な社員=優秀な上司ではなかった

この数か月は忙しかった。

我が社の部署が丸っとなくなる事態が発生してしまったから。

 

その部の部長は以前は同じ部署に居ました、

その当時から優秀で、最年少で会社の表彰を受けるほどでした。

 

その功績から新たな部署を立ち上げ10人の部下が当てられ

最年少の部長となったのでした。

 

 

しかし、その部署も今年の6月に消滅しました。

 

部署発足から3年でなくなってしまいました。

 

原因は部長の性格です。

 

彼は元々優秀な社員でした、人一倍努力し、人一倍作業をこなし、

数々の技術を吸収し、会議資料をコピー刷る時に全て読み

企画書の書式を覚え、休みの日に企画書を作り、

翌日課長の机に置いておくというそんな努力もしていました。

 

とにかくアイデアマンで色々な事を思いついては企画書として提出したり、

メールで相談したりしていました。

 

そんな彼が部長になったとき、皆彼の部署が一番の売り上げを上げるだろうと

予想していました。

 

事実、初年度の売り上げはTOPでした。

 

そんな彼の部署が消えた理由は彼が上に立ってはいけない人間だったからです。

 

いや、社長のようなBOSSとしては優秀なのかもしれません、

ですがleaderとしては良くなかったのでしょう。

 

彼は自身がどれだけ優秀なのかを理解していませんでした。

 

彼は他の人も彼と同じような事が出来るのだと勘違いしてしまったのです。

 

なので、彼の部下から聞いた愚痴によく出てきたセリフが

『自分で考えろ』

『考えて仕事をしろ』

何かを聞きに来てこのようなセリフが出てしまうようでは、

部下はついてきません。

 

これ等が標語とかであったならばまだよかったかもしれません。

 

作業の途中や確認の際にこのような事を言ってはいけませんよね。

 

彼は部長であり、プロジェクトの最高責任者なのですから。

 

彼は部下の持ってきた疑問やプロジェクトの資料のミスを

すべて自分で解決していたのです。

 

ですのであまりにも多量の質問や途中の決済がたまってしまうと

上記のセリフが出てしまうのです。

 

疑問や途中の決済を持ってきた部下にきちんとその部下が仕事になるような

「指示」を与えるべきだったのです。

 

彼は自分がやったほうが早いからという理由で全てを抱え込んでしまっていました。

 

そうやって余裕がなくなり、

『自分で考えろ』『考えて仕事しろ』

こういったセリフが増え、部下たちの心が離れて行ったのでしょう。

 

考えてみると『自分で考えろ』とか『考えて仕事しろ』

このセリフは余裕のない彼の状態を表していたのでしょう。

 

「自分で考えろ」=「私は今考えることができないので代わりに考えてくれ」

「考えて仕事しろ」=「いま私は考えられないので代わりに考えて仕事をしてくれ」

 

言い換えると余裕のなさが感じられます。

 

いくら彼が優秀でも12人分の作業を抱え込むことは不可能です、

3年間で彼の能力はパンクしてしまったのです。

 

彼の部署が消える数日前、まず、彼の部署の部下全員が辞表を出しました。

 

すべてのプロジェクトを終わらせ大型連休直前でした。

 

我々は緊急会議を開き、

辞表を出したすべての人を各部署で慰留する事にしたのですが、

彼らはもう疲れ切っており、誰も残ってはくれませんでした。

 

そして最後に彼が辞表を出しました。

 

辞表を提出しに来た彼と最後に話したのですが、

『どうしてこうなったのかわからない』

と言っていたのが印象に残っています。

 

私は実は辞めて行った彼の部下数人とも話をしていたのですが

皆彼のことを最初は尊敬していたようです。

 

しかし一緒に仕事を進めていくと、その尊敬はなくなり、

焦り、諦め、そして...嫌悪?

 

『部長にはついていけません』

 

こう言っていました。

 

これは私の考え方ですが、

「私はあなたではないし、あなたは私ではない」

自分と他人は消して一緒ではない、

私の知っている事は他の知っているとは限らない。

私とほかの人が同時に同じものを見ても感想や理解には必ず差がある。

 

おそらく彼にはこの考え方はなかったのでしょう。

 

自分が出来る事は誰にでも出来るとは安易に思わないことが重要ですね。

 

もうしばらく我が社は忙しくなるとは思いますが、そのうち通常通りに戻るでしょう。

 

しかし彼らはもう我が社には戻りません。

 

とても残念ですね。

 

本日は以上となります、ここまで読んでいただきありがとうございます。